JE1DNG 池田OMの製作記(DDS編)
KN-Q7Aのシンプルな設計・再現性の高さには感服していたのですが、
自分自身が市販 機器に慣れてしまったせいか、周波数が表示されて
且つ安定な状態にするためにDDS化 できないかと完成直後から思っておりました。
そのため、貴田電子(@愛媛県今治 市)のKEM-DDS-BASICを入手し、
これだったら何とか組み込めるのではと考え始めました。
KEM-DDS-BASICは、カットオフ27MHzのローパスフィルタに、カプリングコンデンサまで
付いた出力端子がありますので、これをKN-Q7AのVXOが接続されているNE602Aの
6ピ ンに直接入力し、7ピンはオープン状態にすれば動作することを、
仮組み状態で確認しました。
このため、NE602Aの6ピンに接続されたクリスタル、7ピンに接続された47pF×2個、
及 びフロントパネルのTUNE用VRを外して、
添付の写真(「内側の様子」、「DDS出力繋ぎ 込みポイント」参照)のように
繋ぎ込みました。DDS繋ぎ込みポイントは、着脱出来る ように、
CRK-10の水晶差替用と同型のピンソケット(基板側)と細径のピンヘッダ
(同軸ケーブル側)を使いしました。 また、VRの代わりにロータリーエンコーダを
取り付けました。
表面には、DDS操作用にプッシュスイッチ3個取り付けました。黒スイッチが
各々カー ソルの横・縦移動用で、赤スイッチがRIT用です。(添付写真「外観」参照。
プッシュ スイッチ3個あれば、DDSの諸設定が可能なので、その場合は内部で
接続変更して対応 することにしました。後述しますが、このRIT用スイッチは、
本来のRIT用としては機 能しないことになりました。)また、マイクコネクタから
PTTも一旦は繋ぎ込んだのですが、後述する送信状態持切りのトラブルが発生したため、
取止めました。
実装するに当っては、下記3点について、結構な手間がかかりました。
@実装のための位置決めやコネクタの出し方など
DDS基板を低い高さで取り付けるため、L型ピンヘッダを採用したり、
LCDの幅がケース 内径ギリギリだったので、スペーサの位置がやや内側になり、
LCDのネジ用の切り込み をヤスリで内側に削ったりしました。
A14ピン対応フラットケーブルの収め方
同じサイズの紙で、折り紙風にシミュレーションしたり、フラットケーブルを
カッ ターナイフで14本バラバラにする試みをして失敗したりと、
種々試みて辿りつたの が、写真のグルグル巻き方式でした。決して自棄を
起こしたわけではありません。
BLCDの穴あけ
2ミリくらいの厚みのあるアルミダイキャスト(?)なので、
手持ちのハンドドリル・ 金鋸・ヤスリで四角い穴あけをするのに
結構時間がかかりました。作業中は、中学校 の技術家庭科の時間に「文鎮」を
削りだして製作したことを思い出していました。
QRPの精神には反しますが、LCDは視認性のいい青のバックライトとしました。
このた め、受信時のDC電源の電流値が103mAと元の約30mAから70mAも増加して
しまいました。 (送信状態で無音声時は、約603mAでした。また、当然ながら、
送信出力は以前と変わ らずピークで10W弱でした。)
また、DDSの電源ON時の設定は、下記としました。
・発振周波数:15.567MHz
・表示用のオフセット:-8.467MHz(←送信出力をIC-756PROIIIのバンドスコープで見 ると、
+1.5kHzしたほうが良さそうでした。)
その結果、電源ON時の表示周波数は、7.100MHzとなります。
(上記修正をすると、 7.1015MHzになります。)
受信は全く問題なし、送信はダミーロードで確認した後、実アンテナを繋ぎ込んで
他 のトランシーバで音を聞いても問題無しだったのですが、一旦送信状態にすると
PTTス イッチの押下を解除しても、リレーが反応せず、送信状態になりっぱなしという
「想定外」の致命的問題が発生しました。ケース上部を開いて引き離して置いて
動作させ ても同じ事象なので、異常発振とかではなく、リレーが動作不良を起こしていると、
その時点では考えていました(2012年12月31日)。
年も改まり、すこし間を置いて入浴中に気づいたのですが、PTTスイッチをDDS基板の
PTTポートに繋ぎ込んだので、動作がおかしいのではないかと思うに至りました。
回路図を見比べると、KN-Q7AのリレーはDC8Vで動作させており、貴田電子のDDS基板の
PTT ポートはDC3.3Vで動作するPICマイコンに直結されていました。この2倍以上の電圧差 が、
リレーを一旦ONにさせるとPTTスイッチを解除してもリレーが持切りになる原因
なのではと、切り離したところ、送受切替の動作は正常になりました。
ということで、(解決案ではなく)回避案の採用で、DDS基板のRIT機能は使えない
状態になりましたが、SSBだから「まっ、いいか!」ということで、一旦問題を
クローズ することにしました。
PTT制御をコンパクトにアイソレーションが出来る方法を思いつけば、RIT機能復活に トライしようと思っています。
-------------------------------------------------------------------
以上、同じような計画をお持ちの方のご参考になればと思い、
ご報告させていただき ました。
JE1DNG
KN-Q7Aのシンプルな設計・再現性の高さには感服していたのですが、
自分自身が市販 機器に慣れてしまったせいか、周波数が表示されて
且つ安定な状態にするためにDDS化 できないかと完成直後から思っておりました。
そのため、貴田電子(@愛媛県今治 市)のKEM-DDS-BASICを入手し、
これだったら何とか組み込めるのではと考え始めました。
KEM-DDS-BASICは、カットオフ27MHzのローパスフィルタに、カプリングコンデンサまで
付いた出力端子がありますので、これをKN-Q7AのVXOが接続されているNE602Aの
6ピ ンに直接入力し、7ピンはオープン状態にすれば動作することを、
仮組み状態で確認しました。
このため、NE602Aの6ピンに接続されたクリスタル、7ピンに接続された47pF×2個、
及 びフロントパネルのTUNE用VRを外して、
添付の写真(「内側の様子」、「DDS出力繋ぎ 込みポイント」参照)のように
繋ぎ込みました。DDS繋ぎ込みポイントは、着脱出来る ように、
CRK-10の水晶差替用と同型のピンソケット(基板側)と細径のピンヘッダ
(同軸ケーブル側)を使いしました。 また、VRの代わりにロータリーエンコーダを
取り付けました。
表面には、DDS操作用にプッシュスイッチ3個取り付けました。黒スイッチが
各々カー ソルの横・縦移動用で、赤スイッチがRIT用です。(添付写真「外観」参照。
プッシュ スイッチ3個あれば、DDSの諸設定が可能なので、その場合は内部で
接続変更して対応 することにしました。後述しますが、このRIT用スイッチは、
本来のRIT用としては機 能しないことになりました。)また、マイクコネクタから
PTTも一旦は繋ぎ込んだのですが、後述する送信状態持切りのトラブルが発生したため、
取止めました。
実装するに当っては、下記3点について、結構な手間がかかりました。
@実装のための位置決めやコネクタの出し方など
DDS基板を低い高さで取り付けるため、L型ピンヘッダを採用したり、
LCDの幅がケース 内径ギリギリだったので、スペーサの位置がやや内側になり、
LCDのネジ用の切り込み をヤスリで内側に削ったりしました。
A14ピン対応フラットケーブルの収め方
同じサイズの紙で、折り紙風にシミュレーションしたり、フラットケーブルを
カッ ターナイフで14本バラバラにする試みをして失敗したりと、
種々試みて辿りつたの が、写真のグルグル巻き方式でした。決して自棄を
起こしたわけではありません。
BLCDの穴あけ
2ミリくらいの厚みのあるアルミダイキャスト(?)なので、
手持ちのハンドドリル・ 金鋸・ヤスリで四角い穴あけをするのに
結構時間がかかりました。作業中は、中学校 の技術家庭科の時間に「文鎮」を
削りだして製作したことを思い出していました。
QRPの精神には反しますが、LCDは視認性のいい青のバックライトとしました。
このた め、受信時のDC電源の電流値が103mAと元の約30mAから70mAも増加して
しまいました。 (送信状態で無音声時は、約603mAでした。また、当然ながら、
送信出力は以前と変わ らずピークで10W弱でした。)
また、DDSの電源ON時の設定は、下記としました。
・発振周波数:15.567MHz
・表示用のオフセット:-8.467MHz(←送信出力をIC-756PROIIIのバンドスコープで見 ると、
+1.5kHzしたほうが良さそうでした。)
その結果、電源ON時の表示周波数は、7.100MHzとなります。
(上記修正をすると、 7.1015MHzになります。)
受信は全く問題なし、送信はダミーロードで確認した後、実アンテナを繋ぎ込んで
他 のトランシーバで音を聞いても問題無しだったのですが、一旦送信状態にすると
PTTス イッチの押下を解除しても、リレーが反応せず、送信状態になりっぱなしという
「想定外」の致命的問題が発生しました。ケース上部を開いて引き離して置いて
動作させ ても同じ事象なので、異常発振とかではなく、リレーが動作不良を起こしていると、
その時点では考えていました(2012年12月31日)。
年も改まり、すこし間を置いて入浴中に気づいたのですが、PTTスイッチをDDS基板の
PTTポートに繋ぎ込んだので、動作がおかしいのではないかと思うに至りました。
回路図を見比べると、KN-Q7AのリレーはDC8Vで動作させており、貴田電子のDDS基板の
PTT ポートはDC3.3Vで動作するPICマイコンに直結されていました。この2倍以上の電圧差 が、
リレーを一旦ONにさせるとPTTスイッチを解除してもリレーが持切りになる原因
なのではと、切り離したところ、送受切替の動作は正常になりました。
ということで、(解決案ではなく)回避案の採用で、DDS基板のRIT機能は使えない
状態になりましたが、SSBだから「まっ、いいか!」ということで、一旦問題を
クローズ することにしました。
PTT制御をコンパクトにアイソレーションが出来る方法を思いつけば、RIT機能復活に トライしようと思っています。
-------------------------------------------------------------------
以上、同じような計画をお持ちの方のご参考になればと思い、
ご報告させていただき ました。
JE1DNG